通関士資格の実態調査 ~仕事の内容から勉強法まで~

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これから通関士資格の取得を目指す皆さんにとっては、あるいは釈迦に説法かもしれませんが、まずは通関士がどんな資格であるのかについて確認しておきたいと思います。

歴史を振り返ると、日本の通関制度は明治政府の発足とともにスタートし、驚くことに昭和41年まで、明治時代に制定された法律に基づいて通関業務が行われていました。しかし、時代の変遷に伴って実情にそぐわない部分も目立つようになったことから、関税法が大幅に改正。併せて「通関業法」という新たな法律が制定されました。そしてこの法律に基づき、貿易実務のエキスパートとして誕生したのが「通関士」というわけです。

このことからもわかる通り、通関業務の歴史は古く、また通関士も50年近い歴史を持つ資格となっています。また国内には、貿易に関する資格が複数存在しますが、そのなかにあって国家資格であるのは通関士だけ。つまり通関士は、歴史があるだけでなく信頼性も兼ね備えた資格だと、まずは言うことができます。

ちなみに通関士資格を所管する行政官庁は財務省で、他に財務省が管轄している国家資格には公認会計士や税理士などがあります。通関士は貿易関係の資格なので、経済産業省の管轄のようにも思えますが、実際にはそうではありません。

実はこのことも、通関士資格の特徴をよく物語っていて、さきほど「通関士は貿易実務のエキスパート」と述べましたが、同時に通関士は「税務のエキスパート」でもあるのです。
輸入をするときに、輸入品に対しては関税や消費税などの税金がかかってきます。「貿易実務のエキスパート」ということは、そうした税金の申告・手続きなどにも携わるわけですから、通関士に「税務のエキスパート」としての知識やスキルが求められるのは、当然と言えば当然なわけです。

以上が、通関士資格の2つ目の特徴になります。すなわち、通関士というのは貿易関係の資格であると同時に税務関係の資格でもあると言うことができます。

ただし、同じく財務省が管轄する公認会計士や税理士などの資格と通関士資格を比べたときに、ひとつ決定的に異なる点があります。それは、通関士は独立・開業のできない資格であるという点です。

公認会計士や税理士と比べて収入が不安定なため独立・開業ができないという意味では、もちろんありません。法律の定めにより、通関士は独立・開業することが認められていないのです(詳細については次ページで解説しています)。

以上のことを整理すると、通関士というのは、①貿易分野における唯一の国家資格であり、②貿易実務と税務のエキスパートであり、そして③独立・開業のできない資格だとまとめることができます。